大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)1058 判決

主 文

原判決を破棄する。

被告人を懲役二月及び罰金一〇〇〇〇円に処する。

但し本裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

右罰金を完納することができないときは金二〇〇円を一日に換算した期

間被告人を労役場を留置する。

本件公訴事実中玄粟五俵の運搬及び各玄粟の売渡に関する食糧管理法各

違反の点について被告人を免訴する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人藤本信喜の上告趣意は末尾に添えた書面記載のとおりであつて刑訴四〇五

条の上告理由に当らない。

しかし職権で調査すると本件公訴事実中、玄粟五俵の運搬及び各玄粟の売渡に関

する食糧管理法各違反の点については、昭和二七年政令第一一七号大赦令によつて

大赦があつたので、刑訴四一一条五号四一三条但書により原判決を破棄し当裁判所

において更に自ら判決することとし、右公訴事実については同三三七条三号により

被告人に対し免訴の言渡をなすべきものとする。

なお第一審判決の確定したその余の事実に法律を適用すると、被告人が主食を運

搬した点は各食糧管理法九条三一条同法施行令一一条、同法施行規則二九条に、主

食を売渡した点は各同法九条三一条同法施行令八条同法施行規則二三条に該当する

ところ、情状により同法三四条を適用しそれぞれ所定の懲役及び罰金(罰金等臨時

措置法四条一項刑法六条一〇条により行為時法の金額による)を併科することとし、

以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、懲役刑については同法四七条一〇条に

より犯情重いものと認める玄小麦一俵をAに売渡した罪の刑に法定の加重をなし、

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罰金刑については同法四八条二項により各罰金を合算し、その刑期及び罰金額の各

範囲内で被告人を懲役二月及び罰金一〇〇〇〇円に処するが、懲役刑については諸

般の情状に鑑みその執行を猶予するのを相当と認め同法二五条により本裁判確定の

日から三年間その執行を猶予し、右罰金を完納することができないときは同法一八

条に従い金二〇〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置すべきものとし、

なお訴訟費用の負担につき刑訴一八一条一項一八五条に則り被告人をして全部これ

を負担せしむべきものとする。

よつて裁判官全員一致の意見によつて主文のとおり判決する。

検察官 安平政吉出席

昭和二七年一〇月二一日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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